就職・転職の際に必要となるのが履歴書です。社会福祉士の就職・転職ではどのような点に気を付けて履歴書を作成するべきなのか、悩む方もいるのではないでしょうか。

社会福祉士の履歴書では、自身の経験やスキルを掘り下げて整理し、今後のキャリアについて具体化していくことが重要です。

社会福祉士の履歴書・志望動機について、例文付きでわかりやすく解説します。

この記事の要点まとめ
  • 履歴書・志望動機を書く前に、まず転職の目的を整理することが大事。
  • 履歴書の基本的な書き方を押さえて、不備や不足が無いように正確に。
  • 自己PRや志望動機は、転職先で実際に働くイメージを具体的に持つこと(例文付き)。

社会福祉士の履歴書の書き方

社会福祉士の履歴書では、一般的な書き方をおさえて丁寧に書くようにしましょう。

個人情報欄(氏名・住所等)

履歴書の一番始めに記載する項目となります。
面接官の方が、まず最初に目にする可能性の高いので、誤字脱字などに注意しながら、正式な表記で丁寧に記載します

それぞれ以下の内容に注意しましょう。

記入年月日

事業所に提出する日を記入するようにします。

氏名、ふりがな

苗字と名前の間は少し間を開けて記載します。

生年月日

西暦もしくは和暦で記載します(西暦・和暦はどちらかに統一します)

住所

略さずに、正式な名称で記載します。
丁目、番地、号の表記も、”1-10-10″、ではなく”1丁目10番地10号”と表記するようにしましょう。

マンションやアパートなどの建物の名前も必ず記載しましょう。

住所ふりがな

都道府県、市区町村まで記載します。“〇丁目〇番地”のふりがなは不要です。
建物名は、漢字やアルファベット部分は記載すると良いでしょう。

電話番号、携帯電話番号

ハイフンを入れて記載します。
固定電話がない場合は、携帯電話番号のみの記載で問題ありません。

E-mailアドレス

ブロック体で丁寧に記載しましょう。
手書きで書く場合は、区別がつきにくい”a”や”d”、など”i”や”l”などは特に分かりやすく記載するようにしましょう。

学歴・職歴

学歴・職歴は以下のポイントに注意して書きます。

  • 正式名称で書く
  • 必要事項は省略せずに書く
  • 時系列に沿って書く

学歴の書き方

基本的に、学歴は義務教育終了後の高校入学から記載します

大学については以下のように、学部・学科などまで記入しましょう。

学歴・職歴
平成〇〇年4月〇〇大学 △△学部 ××学科  入学
平成△△年3月〇〇大学 △△学部 ××学科  卒業
以上

編入や休学の経験がある場合はそちらも記入します。休学については「病気の治療に専念するため」など理由の記載もした方がいいでしょう。

職歴の書き方

転職の場合、アルバイトの職歴は省略するのが一般的です。ただし、介護施設でのアルバイト経験など、アピールできそうなものであれば記入してもいいでしょう

学歴・職歴
平成〇〇年4月株式会社〇〇 入社(契約社員)
  東京支部 第2営業課 配属
  事務機器の営業事務を担当
平成△△年2月一身上の都合により退職
平成△△年5月社会福祉法人△△ 入社
  高齢者向けデイサービス〇〇配属
  食事や入浴の介助、レクリエーション等を行う
以上

正社員以外の雇用形態であればその旨も記載します。配属先まで正しく記載し、可能であれば簡単な業務内容まで書くようにしましょう。

退職理由を詳しく書く必要はなく「一身上の都合」や「業績不振」で問題ありません。ただし面接時に質問される可能性があるため、しっかりと理由を説明できるよう準備は必要です。

免許・資格

免許・資格は、自分のスキルをアピールできるポイントです。

応募条件に、運転免許や社会福祉士が必須である場合もあり、条件を満たしていることを示すためにも正しく記入しましょう

基本的には全て記載した方がいい

業務に関係しない資格であっても、基本的に取得したものは全て記載します。ただし、欄が足りない場合などは、業務に関係のある資格を優先して書きます

社会福祉士の転職で優先する、主な資格は以下のとおりです。

  • 社会福祉士
  • 介護福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)
  • 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
  • 介護福祉士実務者研修(旧ヘルパー3級)
  • 相談支援初任者実務者研修

免許・資格欄の書き方

免許・資格欄を記載する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 正式名称で書く
  • 運転免許証を先頭、以下は取得順に書く
  • 取得、合格、修了を正しく書く

例えば、ケアマネジャーは広く知られている呼び方ですが「介護支援専門員」が正式名称ですので、そちらで記入します。

記載する順番は、運転免許が先頭です。運転免許の下は取得日が早いものから順番に書きます。

免許・資格によって、”取得”、”合格”、”修了”を正しく使い分けることにも注意しましょう。

基本的に、その資格がなくては業務ができない資格(運転免許や医師免許など)は“取得”を使います。社会福祉士や介護福祉士は「名称独占(資格を持っていないと名乗ることのできない肩書)」の資格ですが、専門性の高い国家資格なので”取得”と記載します。

簿記や漢字検定などで、一定以上の基準に合格した場合に記載するのが”合格”です。“修了”は定められた研修・訓練・教育などを完了した際に使います。相談支援初任者実務研修などは”修了”と記載します。


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【例文あり】アピールポイント・自己PRは何を書けばいい?

社会福祉士の採用では、スキルや経験はもちろん人柄も重要視されるポイントです。アピールポイント・自己PRは具体的なエピソードなどがあるとより説得力が増します

ここでは、経験者と未経験者の2つの例文を掲載いたしますので、参考にしてみてください。

【例文】自己PRの書き方(経験者の場合)

私は、5年間障害者の相談支援業務を行い、障害福祉サービスについての知識や傾聴スキルを身に着けてきました。より専門性を高めたいとの思いから、社会福祉士の資格を取得するなど、学ぶ姿勢を大切にしています。

貴法人で働く際にも、最適な提案ができるよう、制度やサービスについて学び続け、安心して相談できる存在になりたいと考えています。

【例文】自己PRの書き方(未経験の場合)

私は、学生時代から人の話を聞くことが好きで、友人の相談に乗る機会が多くありました。聞くのがうまい、考えを整理できた、と言ってもらえることも多く、私自身もどうやったら相手の本音を聞き出せるかを考えながら相談に乗るようにしています。

現在は事務の仕事をしていますが、人の悩みや問題を聞いて、解決に導く仕事がしたいと思うようになり、相談員として働きたく貴法人を志望いたしました。

相談員は、記録や書類作成などでパソコンを使う機会も多いと聞き、事務で培ったパソコンスキルも活かせると思っております。

【例文あり】社会福祉士の志望動機の書き方とポイント

志望動機は、転職先とのスキルマッチや働く意欲・熱意を見られることが多いです。その上でおさえておきたいポイントを解説します。

志望動機のポイント(転職の場合)

転職で志望動機を書く際には、過去の業務や経験から、どうしてそこで働きたいのか体的にどうなりたいのか、という点をしっかり考えます。

1.社会福祉士として働きたい理由

社会福祉士の役割は、幅広い知識を持って利用者様と福祉・医療をつなげることです。

利用者様に直接介護・支援する現場職員ではなく、社会福祉士として働きたいのはなぜか、というポイントを明確にしましょう。

2.その転職先を選んだ理由

社会福祉士が活躍できる場所の中で、その転職先を選んだのはなぜか、を明確にします。希望する転職先の業務内容や理念などをしっかりと研究することが重要です。

3.どんな経験を積んでいて何が得意か

これまでの業務経験などを、転職先でどのように活かコせるかを具体化します。

福祉業界からの転職であれば、そこで得た知識やスキルは大きなアピールポイントになります。他業界からの転職であっても、対人スキルやパソコンスキルなど、社会福祉士の業務で必要となるスキルを身に付けていることを書きましょう

4.転職後にどうなりたいか

転職後にどのように活躍していきたいかを考えましょう。

なんとなく働きたいという人に熱意や魅力は感じられません。目標とするキャリアとそのために必要な経験を洗い出し、転職先で働く姿をイメージすることが大切です。

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【例文】志望動機(転職の場合)

社会福祉士の転職で、よくあるケースの志望動機の例文を紹介します。

【例文1】ケアマネ → 病院・クリニックの医療ソーシャルワーカー(MSW)への転職

特別養護老人ホームにて、介護支援専門員(ケアマネジャー)として高齢者のケアプラン作成を行う中で、多くの方が病気に関する悩みを抱えていることを実感しました。

患者や家族を適切な医療につなげる、医療ソーシャルワーカーの重要性を感じる中で、自分もその役割を担いたいと思うようになりました。

医療分野は未経験ですが、ケアマネジャーとして利用者様やご家族のニーズを満たすケアプランを提案してきた経験は貴院でも活かせると考えております。患者様の人生に大きくかかわる医療なので、本人やご家族の気持ちをしっかりと汲み取り、納得して治療に臨めるようにしていきたいです。

【例文2】介護職 → 介護施設の相談員への転職

私は、高齢者のデイサービスで5年間介護職をしております。現場で、直接利用者様の介護に携わってきた経験を活かし、今度は相談員として利用者様やご家族の支えになりたいと思い、貴法人を志望しました。

介護の仕事をしていると、ご家族の方から感謝される機会が多くあります。「介護から解放される時間ができて、本人との関係が改善した」などのお言葉をいただくこともあり、介護施設はご家族のためにも必要なものだと感じました。

貴法人の「家族にも寄り添うことを大切にする理念」に大変共感し、貴法人の一員として、利用者様とご家族が幸せになれるような提案ができるよう努めたいです。

【例文3】ボランティアコーディネーター → 地域包括支援センターへの転職

私は、社会福祉協議会でボランティアコーディネーターとして働いています。ボランティアを生きがいとする高齢の方も多く、高齢者が地域とつながる大切さを感じ、地域包括支援センターで働きたいと思うようになりました。

ボランティアコーディネーターの経験を活かして、地域で孤立している高齢者を福祉サービスにつなげる仕事をしたいと思っています。高齢者の方々が、地域で安心して過ごせるよう、相手の話をじっくり聞いて、ニーズや問題を引き出せるような支援がしたいです。

志望動機のポイント(新卒の場合)

新卒などで社会福祉士としての採用を目指す場合、なぜ大学で社会福祉の勉強をしようと思ったのか、などを掘り下げて考えます

1.なぜ社会福祉士の資格を目指したのか

社会福祉士の資格を目指すようになったきっかけや背景は、志望動機に直接つながるポイントです。具体的なエピソードなどがあると説得力が増すでしょう。

2.どんな経験を積んでいきたいのか

就職先で、どのような経験を積んでいきたいかを考えます。例えば「障害福祉サービスについての理解を深めて多様なケースに対応していきたい」や「1人1人とじっくり向き合ってニーズを引き出す傾聴スキルを身につけたい」などです。

実際の業務内容を決めるのは施設側なので、必ずしも希望が叶うわけではありませんが、やりたいことがはっきりしている方が、熱意が伝わりやすくなります

3.どのようなキャリアを積んでいきたいか

社会福祉士としてのキャリアプランを明確にしましょう。「ケアマネジャーの資格も取得して、介護業界のスペシャリストになりたい」など、キャリアを叶えるまでの道筋を考えると、就職先選びのポイントを整理できます。

【例文】志望動機(新卒の場合)

新卒で社会福祉士としての採用を目指す場合は、きっかけとなったエピソードを書くとよいでしょう。その上で、希望する施設のどこに魅力を感じたのか、就職したらどのように働きたいかなどを具体的に説明します

【例文1】病院・クリニックの医療ソーシャルワーカー(MSW)への就職

母が病気で入院することになった際に、医療ソーシャルワーカーの方に大変お世話になったことがきっかけで、私自身も医療ソーシャルワーカーを目指すようになりました。

母子家庭なので、母も私も不安でいっぱいでしたが、入退院の手続きや退院後の過ごし方について丁寧に教えて頂き、問題を1つずつ解決していけました。

私も医療ソーシャルワーカーとして、患者様やご家族の心配事や不安に寄り添い、少しでも安心して医療を受けられる支援がしたいと思っています。

【例文2】介護施設の相談員への就職

介護施設で現場実習を行っていた時、利用希望の方が、相談員と施設見学している様子を見る機会がありました。些細な質問にも丁寧に答えながら、相手の不安を取り除くように話す姿勢に感動し、相談員を目指したいと思うようになりました。

貴法人の理念である「利用者様の笑顔を引き出す介護」に共感し、一員として、利用者様が自分らしく楽しく過ごせる提案をしていきたいと思い、志望いたします。


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採用担当者が履歴書をよくチェックするポイント

社会福祉士には、福祉・医療に関する専門的な知識や、コミュニケーションスキルなどが必要です。そのため、社会福祉士を採用する時に、採用担当者は履歴書で経験や人柄をよくチェックしています

どこで経験を積んでいるか

特に転職の場合では、それまでどこで勤務し、どのような経験を積んできたかをチェックします。

社会福祉士は、病院か介護施設かなど、勤務先の種類によって業務内容や必要な知識も大きく異なります。即戦力として働けるスキルがあるかどうか、という点は採用する側の気になるポイントと言えます。

社会福祉士にふさわしい人柄か

社会福祉士は、施設や病院の窓口のような存在です。利用者様やご家族が、安心して相談できるような人物であることが求められます。相手に信頼される人柄であるか、自己PRや志望動機の内容・文面を見てチェックされることが多いです。

また、サービスに関する幅広い知識が必要な業務が多いため、積極的に学ぶ姿勢があるかを重視する担当者もいます。

社会福祉士の転職で大切なこと

高齢者・障害者・医療施設と活躍の場が多い社会福祉士。それだけに転職の際は自己分析や将来の展望などを明確にすることが大切です。

「社会福祉士として働きたい」と漠然とした理由だけではなく「なぜその分野のその施設なのか」ということを深掘りしていきましょう。

転職したい理由と背景を整理する

転職の理由と背景を整理することで転職活動の軸を明確にできます。今の会社や業務への不満、社会福祉士として働きたいと思った背景について、深掘りして考えてみてください。転職先を選ぶ際の条件や優先順位が見えてきて、転職後のミスマッチが起きにくくなります

今の自分にできることは何か整理する

前職での経験やこれまで培ってきたスキルなどを振り返って、今の自分に何ができるかを整理します。自分の得意なことやアピールポイントがわかると、転職先選びや自己PRがしやすくなります

また、現在の自分にできることだけではなく、これから身につけたい経験やスキルも洗い出しておくとよいでしょう。

今後、社会福祉士としてどう活躍していきたいか

社会福祉士としてどのように活躍していきたいかを明確にしましょう。ポイントは具体的に考えることです。

  • 医療ソーシャルワーカーとして家族支援にも力を入れたい
  • 介護の経験を活かして現場職員と連携した相談支援がしたい
  • 社会福祉協議会でボランティアコーディネートがしたい

上記のように、自分が社会福祉士として実際に働く姿を思い浮かべてみてください。

そのためにどこで働きたいか

自分の強みを活かし、目指す働き方、身に着けたいスキルや経験が叶えられる転職先を具体化していきましょう。ここまでのステップを丁寧に行っていれば、軸がはっきりしてくるので希望の転職先が探しやすくなっているはずです。


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まとめ

社会福祉士の履歴書は、仕事に活かせる自己PRや志望動機について具体的に書くことが重要です。そのためには過去の自分を振り返り、自分にできること、社会福祉士としてどうなりたいかを深掘りしていく必要があります。志望動機を書く際には、転職先についてよく調べ、自分の考えやスキルに合った施設・病院を選ぶことも大切です。

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