精神保健福祉士の年収をテーマに、都道府県や働く場所をランキング形式で紹介しています。
また、精神保健福祉士が平均より高い収入を得ながら活躍できる職種も紹介しています。

これから精神保健福祉士を目指す方からキャリアアップを考えている方まで、どのくらいの年収が適正なのかを知って転職・就職に活かしていきましょう。

この記事の要点まとめ
  • 精神保健福祉士の平均年収は、地域・働く場所・職種によって違いがあります。
  • 職種や働く場所の適正な給与を知ることで、充実したキャリアに進めます。
  • 精神保健福祉士で、更に高収入を目指す方法を3つご紹介。

精神保健福祉士の平均年収

公益社団法人社会福祉振興・試験センターの調査によると、令和元年の精神保健福祉士の平均年収は404万円と発表されています
この平均年収は、平成27年に実施された前回調査と比較して、57万円アップしています。

出典:令和2年度社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査結果

【都道府県別】精神保健福祉士の給与ランキング

ここからは「ケア人材バンク」の求人情報をベースに平均月給を調査しました。
まずは、都道府県ごとに、精神保健福祉士の平均給与等をランキングでまとめました。

ランキング1位は、神奈川県でした。次いで埼玉県・東京都が同額の年収となっており、都市圏を中心に平均給与が高い傾向にあります

地域ごとにみると給与年収に差はありますが、生活する地域の実質的な生活水準を考慮して考えることが大切です。

順位都道府県平均月給最高月給
1神奈川県2542.5
2埼玉県24.939
2東京都24.938
4千葉県24.633.3
5奈良県23.833.5
6大阪府23.733.5
7群馬県23.630.5
7愛知県23.635.5
9兵庫県23.531.8
10滋賀県23.334
10京都府23.331.8
12茨城県22.935.5
12三重県22.930.5
14静岡県22.830.5
15栃木県22.325.5
15新潟県22.330.5
15岐阜県22.332.5
15福岡県22.330.5
19福島県2230.5
20岡山県21.930.5
21広島県21.528.5
22北海道21.433.3
22長野県21.425
24宮城県21.332.5
24大分県21.330.5
26長崎県20.630.5
27熊本県20.527.6
28鹿児島県20.430.5
都道府県別 精神保健福祉士の給与(万円)

※算出不可地域は除く
※令和6年8月時点の「ケア人材バンク」都道府県別の精神保健福祉士の求人一覧の平均給与データを元にしています。

出典:精神保健福祉士の求人・転職・採用情報(ケア人材バンク)

福祉業界の他職種と精神保健福祉士の給与ランキング

福祉業界での精神保健福祉士の給与水準を、資格・職種別に平均給与等でまとめました。

ランキングでは、精神保健福祉士よりも年収の高い資格・職種も多くあります。
これらの資格・職種は精神保健福祉士が経験を積むことで開かれるキャリアです。
キャリアアップの視点から、将来的に障がい福祉の資格やケアマネジャーなどへのキャリアプランを目指すのもよいでしょう。

順位資格・職種平均月給最高月給
1児童発達支援管理責任者3145
2サービス管理責任者30.354.1
3主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)25.666.7
4相談支援専門員24.242.5
5介護支援専門員(ケアマネジャー)24.166.7
6精神保健福祉士(PSW・MHSW)22.839
7医療ソーシャルワーカー(MSW)22.545.8
福祉業界の資格・職種の給与(万円)

※令和6年8月時点の「ケア人材バンク」全国の資格職種別の求人一覧の集計データを元にしています。

出典:精神保健福祉士の求人・転職・採用情報(ケア人材バンク)

精神保健福祉士の転職相談受付中

精神保健福祉士転職サポートに登録(完全無料)

【施設形態別】精神保健福祉士の給与ランキング

精神保健福祉士が働く場所によって、どのように給与に影響があるかランキングにまとめました。

「放課後デイサービス・児童発達支援」の児童分野をトップに、高齢者・医療機関・障がい福祉といった様々な分野が上位にいます
「どこで働くか」も大切ですが、精神保健福祉士は経験と実績を積み上げることで、スキルアップ・キャリアアップを図れます。

それに伴い、専門性と収入も高まり、やりがいと経済的に満足する環境で活躍できることでしょう。

順位施設形態平均月給最高月給
1放課後等デイサービス・児童発達支援24.834.5
2有料老人ホーム23.937.8
3デイサービス・デイケア23.538.0
4共同生活援助23.430.0
5クリニック・診療所23.333.3
6特別養護老人ホーム(特養)23.234.2
7障がい者(児)支援22.333.0
8病院21.939
9就労継続支援21.242.5
精神保健福祉士の働く場所での平均年収等(万円)

※令和6年8月時点の「ケア人材バンク」全国の施設形態別の精神保健福祉士の求人一覧の集計データを元にしています。

出典:精神保健福祉士の求人・転職・採用情報(ケア人材バンク)

精神保健福祉士と社会福祉士の年収や仕事の違い

精神保健福祉士と社会福祉士は、どちらも福祉分野の専門職として需要が高まっている職業です。
どちらも国家資格で、多職種連携を図って利用者様やご家族を支援する共通点があります

年収や仕事には、どのような違いがあるのか確認していきましょう。

精神保健福祉士と社会福祉士の年収の違い

精神保健福祉士と社会福祉士の年収は、以下の通りです。

厚生労働省のデータによると令和元年の平均年収は、ほぼ同水準となります。

資格名平均年収
精神保健福祉士404
社会福祉士403
精神保健福祉士と社会福祉士の平均年収(万円)

性別で平均年収を比較すると、精神保健福祉士は女性の方が高く、社会福祉士は男性の方が高い結果となっています

資格名平均年収(男性)平均年収(女性)
精神保健福祉士463377
社会福祉士473365
精神保健福祉士と社会福祉士の性別による平均年収(万円)

出典:令和2年度社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査結果

精神保健福祉士と社会福祉士の仕事の違い

同じ福祉分野で活躍する精神保健福祉士と社会福祉士ですが、仕事内容にはどのような違いがあるのでしょうか。

まずは、共通する主な仕事はこちらです。

精神保健福祉士と社会福祉士で共通する仕事例
  • 医療機関や地域での相談支援・チームアプローチ
  • 生活困窮者支援
  • 権利擁護や成年後見に関する支援
  • 教育分野 など

次に、精神保健福祉士が活躍する仕事をみていきましょう。

精神保健福祉士が活躍する仕事の特徴
  • 精神科医療機関での相談支援
  • 社会復帰調整官(国家公務員)

精神疾患や、障がいに関する専門的な知識を有する精神保健福祉士は、精神科医療機関や医療観察制度の対象となる方を支援する分野で活躍します。

実際の現場や求人では、精神保健福祉士と社会福祉士の仕事のすみ分けがなくなってきている状況があります。

精神保健福祉士であっても、高齢者や児童、生活困窮者の支援が求められますし、社会福祉士にも精神疾患を抱える利用者様やご家族を支援する機会は増えてきています。

精神保健福祉士の転職相談受付中

精神保健福祉士転職サポートに登録(完全無料)

精神保健福祉士で年収1,000万円を目指すには?

ここでは、精神保健福祉士で更に高収入を目指す方法を3つ紹介します

精神保健福祉士が高収入を目指す方法3選
  • 大学教授になる
  • 独立開業する
  • 本業+副業

精神保健福祉士の令和元年の平均年収は404万円ですが、キャリアアップや専門性を高めていくことで、さらに年収を高めることができる可能性はあります

多くの精神保健福祉士が活躍されている現場での支援は、とてもやりがいがあり、必要不可欠な仕事です。

経験を重ねてキャリアアップすることで、まずは年収500万円、600万円を目指しましょう。
高収入を目指すための手段の例をご紹介します。

必ず高収入を実現できるわけではありません。参考としてご覧ください。

大学教授になる

高収入を目指す方法その1「大学教授になる」ことです。「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、以下の給与が公表されています。

大学教授(高専含む)の給与

平均月収:66.6万円(諸手当を含む)
年間賞与:275.2万円

計算すると、平均年収は、1074.4万円となります

収入以外にも、高い専門性や社会的信頼が得られ、後進育成を通して、社会貢献も担える仕事です。

大学教授になるためには、大学院で博士号を取得して経験と実績を積む必要があります。
限られたポストで競争率も高いですが、研究や教育に対する強い熱意をお持ちの方にはおすすめなキャリアと言えます。

出典:令和5年賃金構造基本統計調査(e-Stat)

独立開業する

精神保健福祉士として、独立開業することも、高収入を得る方法の一つです。

開業の形態としては、このような方法があります。

  • 福祉事業所の運営
  • スクールソーシャルワーカー(SSW)や、医療ソーシャルワーカー(MSW)などの業務請負
  • 企業に向けたメンタルヘルスなどのコンサルティング業 など

独立開業は収入に上限がないこと以外にも、自分の理想とする福祉サービスを提供できることや柔軟な働き方など多くのメリットがあります。

一方では、安定した収入の保証がないことや、事業運営に関する知識・スキルが必要になってきます

精神保健福祉士としての経験だけでなく、綿密な事業計画や資金の準備など、経営者としての知識も必要になります。

本業+副業

精神保健福祉士の副業は職場の就業規則の遵守が大前提ですが、本業と両立することで年収を大幅に増やせる可能性があります

2018年に厚生労働省から「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が出され、国が副業を認める条文が追加されました。

副業の例として、以下のような方法があります。

  • 成年後見人としての活動
  • 執筆活動や講師業 など

精神保健福祉士の専門性を活かした成年後見人や執筆活動、セミナー講師などの副業は、職場の理解を得ながら取り組める副業なのではないでしょうか

ただし、その分時間を使うことになりますので、本業の状況はもちろんのこと、プライベートも含めて、計画を立てて行う必要があります。

まとめ

精神保健福祉士の平均年収について紹介しました。
精神保健福祉士の収入アップには、キャリアアップや働く場所選びがとても重要です。

精神保健福祉士の資格を活かして、キャリアアップの転職を考えている方は、「ケア人材バンク」の無料転職支援へのご登録はいかがでしょう?

全国の精神保健福祉士や相談員などの求人情報を見ることができ、相談員専門のキャリアパートナーが、あなたの要望を丁寧にお伺いした後、ご希望に合う最適な求人をご紹介します。

今すぐの転職でなくても、まずは情報収集したいという方にもおすすめです。
この機会に、無料登録してみてはいかがでしょうか