療育現場で働く方々は、日々の支援を考え、工夫し、提供していることと思います。
お子様1人ひとりの発達を捉えて、最適な支援をすることは容易ではありません。

お子様によって、様々な教材を用意する必要がありますので、準備にお困りではないでしょうか。

ここでは、児童発達支援・放課後等デイサービスで働く方向けに、療育で使える手作り教材・おもちゃをご紹介します。

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この記事の要点まとめ
  • お子様の発達をとらえ、お子様に合った教材・おもちゃを選択できます。
  • 100均の材料で手作り療育おもちゃが簡単に作れます。
  • 必要な材料、作り方が分かります。

それではお子様の発達を促すためにできる、教材やおもちゃ、プリントなどを見ていきましょう。
今回ご紹介する教材・おもちゃ・プリントは、100円ショップで揃ったり、無料でダウンロードできるものを集めてみました。

手軽に揃えられ、作り方も簡単なので、是非、参考にしてください。

まず、教材を選ぶにあたって、今のお子様の苦手なところを理解し、無理のないところからアプローチしていきます。

お子様が楽しく出来るよう、魅力あるデザインであったり、興味を持ちやすいものを提供していきます。

療育教材やおもちゃの重要性

療育教材・おもちゃ選びは、お子様の成長を促す大切な環境設定になります
お子様1人ひとりの興味や関心を知り、発達に合ったものを用意しましょう。

教材を選ぶにあたって、無理のないところからアプローチしていきます。
お子様が楽しく出来るよう、魅力あるデザインであったり、興味を持ちやすいものを提供していきます。
発達に合わせ支援することで、出来たことに達成感を味わえ、次回も自発的にやりたい!という気持ちが持てます。

使う理由・目的

療育とは、脳や身体に障がいをお持ちのお子様や、その可能性のあるお子様に対する支援のことです。

支援内容としては、身辺自立や感情のコントロール、学習支援、コミュニケーション能力の向上、運動能力の向上などがあげられます。

ひとつの教材・おもちゃから多数の効果を得られることもあります。
例えば、手指を使う微細運動を目的にした教材・おもちゃから、大人と一緒に行うことで言葉の習得やコミュニケーション能力の向上なども期待できます。

お子様にあった教材・おもちゃは目的に合わせて選びましょう。
手指・身体のコントロール、感触を楽しむ、色・数の認識、発語、ビジョントレーニング(目の運動)など、方向性が定まると適切な教材・おもちゃが分かります。

未就園児(0~2歳)

このころのお子様は脳の発達が急速に進む時期で、とても重要な年齢です。
見るもの、感じるもの、触るもの、すべてが身体・脳に届くと言われています。
外に出て、自然の中でいろんなものを感じて、触らせてあげると良いでしょう。

このころのお子様向けのおもちゃは、五感に働きかけるおもちゃがおすすめです。
お子様の気が済むまで遊ばせてあげましょう。
隣で言葉を掛けながら一緒に遊ぶことで、言葉の習得やコミニケション能力の向上にも繋がります。
一緒に楽しい時間を過ごすことが大切です。

幼児(3~6歳)

幼稚園に入園するお子様が多く、集団行動を経験する時期です。
保護者の元を離れ、不安を感じたり、思い通りにいかないことも経験します。

お子様によっては、なかなか環境や周りに馴染めずに、泣いたり怒ったりとお子様自身も困りごとを解消しづらい場合もあります。
なぜお子様が困っているのか、原因と行動を分析して、適切な支援を行う必要があります。

このタイミングでは、落ち着いた状況で出来るおもちゃでのアプローチがおすすめです。
適切なおもちゃで遊ぶことで達成感が得られ、集中力がついたり、指先のコントロール、言葉の獲得、コミュニケーションを覚え、日常生活で自立していくことに繋がります。

他にも出来たことで自信に繋がり、生活の安定になり、集団生活に馴染んでいくことになるでしょう。

小学校低学年

小学校に入ると学習が始まります。
教室で座って先生の話を聞き、理解することが必要になってきます。

障がいをお持ちのお子様には、様々な困難が出てくるかと思います。
お子様によって様々な苦手、課題にあわせ、療育していく必要があります。
療育教材を使うことで少しずつ出来ることを増やしておきましょう。

ひらがなや漢字の覚え方でも障がいを持ったお子様は普通学級の教え方では覚えづらく、違った捉え方で覚えていくこともあります。

1人ひとりにあった支援法を見つけて行くことが重要です。

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0歳~2歳向けの手作り療育教材・おもちゃ

療育に使う教材やおもちゃと言われると、少し固いイメージを持たれるかもしれません。
ですが、実際に療育現場で使っている教材・おもちゃは、子どもたちに興味を持ってもらうために、かわいらしく子どもごごろをくすぐる物が多いです。
もちろんシンプルさ重視で、集中しやすいものもあります。

ここでは、実際に療育で使っている教材・おもちゃをご紹介していきます。

ぽっとん落とし

つかむ、押し込む作業ができるおもちゃです。

自分で押し込んだものが、ポンっと入っていくのが面白いですね。
療育では”プットイン”とも呼ばれています。

中に、鈴やビーズ、お米などを入れると、音が鳴り聴覚でも楽しめます。
障がいをお持ちのお子様は、つかむことが苦手なことがありますので、最初のステップとして遊んでみてはいかがでしょうか。

ダイソーのパスタケースは、ペットボトルキャップが押し込めるちょうど良いサイズです。
この動画ではフェルトでキャップを包んでいますが、大変だという方はカラーテープで巻くと簡単です。

材料
  • ペットボトルキャップ
  • マグネット
  • フェルト
  • ワッペン
  • パスタストッカー
作り方
  • ペットボトルキャップに接着剤でマグネットをつける
  • ワッペンをつける
  • フェルトを縫い合わせる

紐ひっぱり

色んな種類のひもやリボンをひっぱるおもちゃです。

指先が発達してくるこの時期におすすめで、楽しんで何度も遊んでくれることでしょう。
素材や色、長さを変えるアレンジもおすすめです。

材料
  • 容器
  • ひも
  • リボン
  • ループエンド
  • 千枚通し
作り方
  • 容器に穴をあけ、ひもを通す
  • ループエンドをつけ、両端を玉結びする

洗濯バサミ

洗濯バサミは、指の力を鍛えるのに適した道具です。

すぐには出来ない場合、ついている洗濯バサミを外すところから始めてみましょう。
三本の指を使って上手につけるには、力加減も必要です。
この3本の指を使う動作は、のちに箸を使う力に繋がります。
できた動物や海の生き物は、ラミネートしておくと長持ちします。
洗濯バサミをつける位置に色丸シールをつけて、合わせて貼るのもおすすめです。

材料
  • 画用紙
  • 洗濯バサミ
作り方
  • 画用紙に絵をかいて、切る。(ウサギ、ライオン、カニ、イカなど)

きらきらペットボトル

0歳から楽しめる感覚おもちゃです。

キラキラがゆっくり動くのが面白く、長い時間見ていても飽きません。
リラックス効果があるので、お子様のリラックスできる時間にも良さそうです。
小さいペットボトルと500mlのペットボトルと両方作り、重さの違いを感じてもらうことも出来ます。

材料
  • ペットボトル
  • 洗濯のり
  • ビーズ、スパンコール、グリッター、ふわふわのボールなど
  • ビニールテープ
作り方
  • ペットボトルにビーズなどを入れる
  • 水7:洗濯のり3の割合で入れる
  • 蓋をしっかり締め(接着剤を使うと安心)、ビニールテープでとめる

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幼児向けの手作り療育教材・おもちゃ

ひも通し

シンプルで簡単なひも通しです。

ストローを持つ手とひもを通す手で、右手と左手で違った動きをすることは、お子様にとってすこし難しいかもしれません。
たくさんストローを通せると達成感を感じられます。

材料
  • 手芸用のひも
  • ストロー
  • タピオカ用のストロー
  • 透明テープ
作り方
  • ひもを好きな長さにカットして、端を透明テープを巻く
  • ストローを約5センチでカットする
  • タピオカ用のストローは約4センチでカットする
  • ひもの反対端は硬結びをしてストローが抜け落ちないようにする

ボタン・ファスナー

ボタンの掛け外しは、日常生活でも必要となります。
初めは大きめのボタンからにし、段階を踏んで小さくしましょう。


興味を持ってもらうために、はらぺこあおむしやサカナなど可愛らしいもので作ってみるのもおすすめです。

材料
  • フェルト
  • ボタン
作り方
  • フェルトを棒状に切る
  • 片方にボタンホールを作る、もう片方にボタンをつける

吹くおもちゃ

言葉の発達に遅れを感じて、療育に通っているお子様もいます。

吹くおもちゃは口周りの筋肉を使うことと、息をコントロールする力が必要なので、アプローチ方法として有効です。
製作からお子様と一緒に行うなら絵をかいて、自分のオリジナルを作ってみましょう。

材料
  • ストロー
  • 8㎝×17㎝の長方形の紙
  • セロテープ
  • マスキングテープ
作り方
  • 長方形の紙を横にして上1センチほど残して折る
  • 残したところを折りたたむ
  • セロテープで開かないように止める(最後1㎝は貼らない)
  • ストローを半分に切る
  • ストローを貼っていない1㎝の方から入れ、端を三角に折ってセロテープでとめる
  • 鉛筆で端からくるくる巻いていく
  • マスキングテープでストローと紙をとめる

トング

100均材料でできる簡単トング遊び!モンテッソーリの移すお仕事②

トングを使ったおもちゃで、ポンポン玉を色ごとに入れていきます。
三本の指を使うので、このおもちゃも指を鍛えるのに良いです。
また色別に入れていくため、色の認知も出来ます。
様子を見て、隣から声を掛けたり、静かに見守ってみたりして下さい。

材料
  • 製氷皿
  • 色丸シール
  • 色のポンポン玉
  • トング
作り方
  • 製氷皿に色丸シールを貼る

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小学生向けの手作り療育教材・おもちゃ

【ステップ別】お箸の練習メニューをご紹介!モンテッソーリの移すお仕事④ | モンテッソーリの小部屋 (montessori-room.com)

箸の相談は、良く保護者の方からされるのではないでしょうか。
小学校に行くと給食を食べるのに、通常箸が用意されます。

上でご紹介した洗濯バサミやトングが上手に使えるようになったら、箸の練習をしてみましょう。
初めは、つかみやすいスポンジから行うのが良いです。
出来るようになったら、小さくしていきましょう。

材料
  • スポンジ
  • スポンジを入れる容器
作り方
  • 柔らかい素材のスポンジを2~3㎝角に切り、容器に入れる。

ちょうちょ結び

【無料ダウンロード】ちょうちょ結びの練習に!靴ひもむすびの知育おもちゃを作ろう

小さいボタンや箸が使えるようになったら、次の課題として始めてみましょう。
靴のおもちゃがずれないように台紙につけるとやりやすいと思います。

材料
  • ダウンロードしてプリントアウトした型紙
  • 台紙(段ボールや牛乳パック)
  • ひも
  • 穴あけパンチ
  • ボンド
  • ハサミ
作り方
  • 靴の型紙を台紙に貼り、切る
  • 穴あけパンチで穴をあける
  • ひもを通す
  • パーツをボンドで貼り付ける

ひらがなボード

移動五十音に!簡単!ひらがなマグネットの作り方 | ハハハチブンメ (hahahachibun.com)

ひらがながわかるようになってきたら、こちらのマグネットがおすすめです。

マグネットでホワイトボードに貼り付けられるので、きっちり貼れるため、お子様にも満足して頂けるかと思います。
言葉遊びで関わりを楽しんだり、発語を促すことも出来ます。

材料
  • ダイソーの曜日マグネット(大)3枚
  • ラベル用紙
  • ホワイトボード
作り方
  • ダウンロードし、ラベル用紙にプリントアウトする
  • ひらがなをカッター、ハサミで切り離す
  • 曜日マグネットの曜日が隠れるように貼る

タングラム

パズル感覚で遊べる、図形の教材です。

ちびむすドリルの無料プリントはタングラムの問題が充実していて、徐々に難易度をあげていくことが可能です。

タングラム パズル 子供向け 問題プリント  無料ダウンロード・印刷|幼児教材・知育プリント|ちびむすドリル【幼児の学習素材館】 (happylilac.net)

初めは自由に遊び、楽しんで遊んでいるなと思った時に、問題を出してあげると良いかもしれません。
三角や四角から形を作り出しますので、考える力が身につきます。

材料
  • マグネットシート(赤、青、黄など)
  • 型紙 (ちびむすドリルからダウンロード)
  • ホワイトボード
作り方
  • ホワイトボードマーカーで形の合わせて折りながら、形を写していく
  • ハサミで切る

ジオボード

【 ダイソー の 有孔ボード で知育おもちゃを簡単手作り】【2歳】【3歳~】「ジオボード」の作り方 | おうちdeモンテ (ouchidemonte.com)

物の形や空間をイメージする力のトレーニングに有効なおもちゃです。

発達障がいのお子様には、目の運動機能が弱かったり、目から得た情報を理解する能力が他のお子様に比べて遅れていることがあります。
小学生に入り、ひらがなが覚えられないとつまずいているお子様がいたら、ジオボードも療育の中に入れ、始めてみても良いかと思います。
手先の力が弱く、上手く引っかけられないお子様はデザインボード用のボタンフックを使うとやりやすいという情報もありました。 

材料
  • デザインボード(ダイソー)
  • 木製ダボ40P 約5×40mm 2個
  • カラーゴムバンド
  • ボンド
作り方
  • 木製ダボの先にボンドをつけて、デザインボードに挿す

まとめ

療育で使える手作り教材・おもちゃを12個ご紹介しました。
これから作ってみようと思えるものはありましたか?

年齢別にご紹介はしましたが、お子様によって発達状況は様々です。
年齢に捉われずに、そのお子様自身を捉えてあげて下さい。
そしてお子様の困りごとを捉えて、発達をサポートする手助けになれば幸いです。

お子様も指導員さんも保護者さんも楽しく療育をし、成長を見守りましょう!

※紹介した動画の内容について、当サイトが正確性などを保証するものではないことをご了承ください

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