放課後等デイサービスでの仕事に興味があるけど、仕事はどんなことをするの?正直大変って聞くけど大丈夫?障がいのあるお子様との関わりって具体的にどんなこと?と疑問を持たれているのではないでしょうか。

資格をお持ちの方も、お持ちでない方も放課後等デイサービスで働くイメージができるよう解説していきます。

この記事の要点まとめ
  • 放課後等デイサービスでの働き方、仕事内容がわかります
  • お持ちの資格がどのように活かされるのか理解できます
  • 放課後等デイサービスで働くことでのやりがいや支援方向をイメージできます

放課後等デイサービスとは?

放課後等デイサービスとは障がいをお持ちのお子様、またはその可能性のあるお子様を対象にした社会福祉サービスです。

小学校1年生〜18歳までのお子様が、放課後や学校が休みの日に通い、療育を受けたり、集団活動をして友だちと遊んだり、日中の生活の場として過ごします。
社会福祉法による施設であり、市区町村が交付する通所受給者証の取得をしているお子様が対象です。

放課後等デイサービスには様々な事業所があり、療育の内容やサービス内容、預かり時間、対象としているお子様の年齢も異なります

支援内容として、主に以下のようなものがあります。

  • 身辺の自立支援
  • 運動活動
  • 音楽活動
  • 製作活動
  • 学習支援

公園や地域の遊び場へ出掛けたり、買い物体験、クッキングなども行う事業所もあります。

放課後等デイサービスの基本的な仕事内容

それでは、放課後等デイサービスで働く上で、どんな仕事を行うのか具体的に解説していきます。

お子様への支援

放課後等デイサービスを利用するお子様は、特別な支援を必要としているお子様です。
個々の発達や特性、身体状況に合わせた支援をしていきます。
まずはお子様の生活の場となり、安心して過ごせるようにしていきます。

スタッフとの関係性を作り、遊びや、身支度・トイレ・食事などの生活の自立へのサポートも重要です。
療育プログラムを作り、お子様に経験してもらう遊びや勉強などを考えます。
それは運動だったり、音楽だったり、製作だったり、課外活動だったり、と様々なアプローチの方法があります。

お子様の興味関心、発達に合わせ、「やってみたい!」「たのしい!」と思えるように工夫することが大切です。

療育と聞くと、何かを出来るようになることに注目しがちかもしれません。
ですが、お子様の自己肯定感を育むことが今後生きる上で大切になります。

ですので、無理なくお子様のペースに合わせて療育することが大切です。

集団療育や余暇の時間ではお子様同士が関わり、人とのコミュニケーションを取れるようにサポートしていきます

なかには、コミュニケーションに苦手さがあったり、思いや考えを上手く相手に伝えられないお子様もいます。
協調性やコミュニケーションスキルの向上を図り、社会性の育成を支援します。

お子様の送迎

お子様を安全に送迎する役割です。
お子様が通っている学校へお迎えに行き、療育終了後はご自宅へ送り届けます

ご家庭の都合により、学校、ご自宅以外の場所への送迎も対応する場合があります。

免許がない場合は添乗し、お子様の見守りを任されることもあります。

保護者の方との面談・保護者の方への支援

放課後等デイサービスの仕事は、お子様の支援のみではなく、保護者の方の支援もあります

定期的な面談や日々のコミュニケーションを通して、お子様の成長を共有したり、家庭での困りごとなどの相談にも乗ります。

保護者の方との良い関係性を築くことで、お子様も保護者の方にも安心して通って頂ける事業所となることが出来るでしょう。

その他の業務

その他、以下のような作業もあります。

  • 事務作業
  • 書類作成
  • 清掃
  • おやつの手配、調理

お子様がいない時間も仕事があります。

支援を円滑に行うために、活動支援内容を作成したり、必要なものを買い出しに行ったりします。
おやつの準備や清掃など、様々な業務を行う必要があります。

放課後等デイサービスで働くスタッフの仕事内容

放課後等デイサービスで働くことができる様々な資格や役職があります。

専門的な資格を持っている方は、障がいを持ったお子様に適切なアドバイスと訓練をする人物として重要な存在になります

放課後等デイサービスでは配置義務が必須ではありませんが、いてくれると心強い存在になるでしょう。

児童発達支援管理責任者(児発管)

児童発達支援管理責任者は、障がいを持つ18歳未満のお子様に対してのサポート・管理などを行うのが主な役割です。

主な業務は以下のようなものがあります。

  • お子様の支援管理
  • 保護者の方と面談、アセスメント
  • 個別支援計画の作成
  • 現場のスタッフの管理、指導

障がいを持つお子様の保護者の方との話し合いによって、お子様の性格や特性、保護者の方の要望などを聞いたうえで、「個別支援計画」の作成をします
作成後も、進捗のモニタリングや、計画の調整をし、支援が適切に行われるようにします。
現場のスタッフの管理、指導も重要な仕事の一つです。

(児童発達支援管理責任者を略して「児発管」とも呼ばれます。)

児童指導員

お子様たちと関わる、主に現場の職員です。

主な業務は以下のようなものがあります。

  • お子様の療育、支援
  • 送迎業務
  • 清掃
  • おやつの準備

障がいをお持ちのお子様の療育を行い、自立に向けての支援をします。
保護者の方の対応や相談、送迎業務、プログラムの立案など、幅広く仕事があります。

管理者

事業所の管理をする職員です。
1つの事業所内のトップであり、児発管と兼任しているところも多いです

主な業務は以下のようなものがあります。

  • 事業所内の管理
  • 保護者対応
  • スタッフの管理
  • 療育、支援の把握・管理

環境管理の面では、様々なお子様に合わせ安全に生活できるように、バリアフリー化を進めたり、衛生面では災害や感染に対応できるようにマニュアルを作成し対策したり、訓練を行うなどの管理も必要です。

療育内容や保護者の方からの評価についても把握し、事業所全体をまとめていくことが求められます。

特別な資格は必要ないのですが、療育と管理の経験と知識はあった方が良いでしょう。

また、行政や教育機関、他事業所などとの連携が必要不可欠になりますので、療育の制度と障がいがあるお子様への支援の理解のもとに連携するという役割もあります。

保育士

現場で児童指導員と同じ仕事内容を求められることが多いでしょう。

ですが、保育士の資格と経験を活かして療育していくことが出来ます。

お子様の発達に合わせ、ペープサートや絵本の読み聞かせを行ったり、活動内容の立案、提案などにも、今までの経験を活かしていくことが出来ます

看護師

お子様への医療的処置やケアを行います。

  • 医療処置やケアが必要なお子様への対応
  • 服用管理
  • インスリン注射の補助
  • 体調管理
  • ケガの対応

服薬管理、インスリン注射の補助など医療従事者でないとできないことがあります
お子様の体調管理やケガの対応なども行って頂くことになります。

それ以外の時間は現場の職員として入って頂くこともあります。

嘱託医

常駐ではなく、依頼を受けた際に対応するケースが多いです。

放課後等デイサービスでは、医療的ケアが必要な重症心身障害児に支援を提供する場合に配置が必要で、診察や治療を行います

理学療法士

基本的な運動能力のサポートをします

歩く、立ち上がるなどの身体の運動や筋力を遊び運動を通して、お子様の発達を促します。

言語聴覚士

言語の獲得、発音練習など言葉でのやり取りや表出の支援をします
摂食も口腔の使い方などの指導、訓練を必要とするお子様がいるため、そのサポートをします。

放課後等デイサービスでの仕事は、言語障がいがあるお子様のみならず、様々な障がいを持ったお子様が利用されます。
お子様1人ひとりに合わせて言語の支援をしていきます。

作業療法士

遊びや運動、作業を通して、お子様の発達を促します。

日常生活がより安全に過ごせるよう、また様々なことにチャレンジできるよう、アドバイスをします。
お子様が自立していくのに必要な動作の訓練をします。

心理指導担当職員

公認心理師・臨床心理士・臨床発達心理士の資格を持った方が就かれることが多いです。

ですが、資格がない場合でも大学または大学院で心理学科を卒業、また心理関連の実務経験が2年以上ある方も認められる場合があります。

障がいのあるお子様に対し、心理的な指導を行います。

そのために、お子様とのコミュニケーションをとり、保護者の方と面談をし、アセスメントをします。

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放課後等デイサービスで仕事をする上で役立つ資格

放課後等デイサービスでは様々な仕事と職種を必要としていることがわかりましたね。
他にも役立つ資格が多くあります。

では、どのような資格が活かせるのか紹介していきます。

児童発達支援管理責任者

児童発達支援管理責任者研修を修了すると取得できる資格です。
お持ちの資格により実務経験の要件が異なります。

例えば、資格なしの場合8年間の実務経験が必要となり、作業療法士など指定の国家資格に基づく業務に従事した方は5年間(内、3年以上の障がい者やお子様を対象とする支援業務)の実務経験があることが要件となります。

実務経験と研修を受けた者が児童発達支援管理責任者として認められ、職種に就くことができます。

社会福祉士

福祉や医療に関する相談援助に必要な専門知識と技術があることを証明する国家資格です。

社会福祉士は児童、障がい者、高齢者、その他の社会問題などに関する知識を活かし、療育や相談支援に役立てます

精神保健福祉士

精神保健福祉法にもとづく国家資格で、心に疾患や障がいを抱える人の支援のプロとして、お子様と保護者の方のサポートを行います

発達障がいなどを持つお子様はコミュニケーションを上手く取れなかったり、学習についていけないなどで、二次障がいを抱えてしまう方もおられます。

育児の悩みを持つ保護者の方の相談相手としても一役たてるでしょう。

教員免許

幼稚園教諭免許、小学校教諭免許、中学校教諭免許、高等学校教諭免許を持っている方は児童指導員として認められます

お子様と関わる職種として、様々な角度から療育や支援に携われます。

保育士

0歳から6歳(未就学児)のお子様の発達や遊びについて専門的な知識を持った国家資格を取得した職業です。

たくさんの絵本や歌を知っていたり、手遊びが出来たりすることは強みになります。
保育経験者でしたら、お子様同士のケンカの仲立ちなどの経験も役立ちます。
コミュニケーションが上手く取れずに他児とケンカになってしまうお子様のサポートやアドバイスをすることもあるでしょう。

お子様方の発達を捉え、適切な関わりと療育をします。

幼稚園教諭

幼稚園教諭免許は一種と二種がありますが、同じ扱いになり、児童支援員として位置づけられ、働くことが可能です。

ピアノの弾ける方はそのスキルを活かし、療育に役立てることが可能です。

看護師

医療ケアの必要なお子様がいる重度心身障がい児型の放課後等デイサービスでは、看護師などの資格を持った看護職員が必要になります。

通常の放課後等デイサービスでもお子様の体調管理やケガの対応など、頼もしい存在になるでしょう。

理学療法士

身体に障がいがなくても身体の使い方が苦手なお子様が多いですので、理学療法士のかたはお子様の身体の動きをみて頂きます。

お子様の生活がより良くなるように身体を使った遊びを通して、筋力の向上や運動感覚の向上を促します。

作業療法士

お子様の動作を分析して、様々な遊びや教材を用いて関節の動きや筋力の訓練をします。

日常生活(トイレ、着替え、食事など)において自立していけるようにサポートをする役割です。

療育の場面だけでなく、普段から気にできる動作やできる遊びなども一緒に働く職員や保護者の方にもお伝えすることも、役割として担っています。

言語聴覚士

言葉の発達に遅れのあるお子様のサポートをし、発音の訓練をしたり言葉をつかったコミュニケーションが上手くとれるようにします。

言葉を使って話したいと思ってもらえるよう、様々な遊びや工夫を行います。

公認心理師・臨床心理士

公認心理師は、平成2017年に施行され、心理学を専門的に学んだ方が取得する国家資格です。
一方で、臨床心理士は、1988年に施行された民間資格で、長い歴史のある資格です。

お子様の精神の状態を観察し、適切に対応していくことが求められます。

保護者の方でも精神病を患っておられる方、悩みが多い方もいられますので、面談をすることもあるでしょう。

また更に資格を取得することで、発達検査を実施することも出来ます。

放課後等デイサービスで仕事をするメリット

放課後等デイサービスで働くことで、支援・療育のスキルが上がることはもちろん、お子様や福祉について学んでいくことが出来ます。

では、具体的にどのようなメリットがあるのか解説します。

保護者支援を含め、地域社会に貢献できる

保護者の方とコミュニケーションを取ったり、相談を受けることにやりがいを感じることが出来ます。

放課後等デイサービスは地域の中にある福祉支援サービスなので、学校やお子様が遊ぶための地域施設、行政機関などとの連携が必要です。

人との繋がりをもち、支え合いの中で仕事をしていくことは職員にとっても良い環境でしょう。

様々なお子様と関わることで自身のスキルアップになる

放課後等デイサービスには、発達障がい(ADHD・ASD・LDなど)、知的障がい、身体障がい、愛着障がいなどをお持ちのお子様が利用します。

1人ひとりに合った対応をし、お子様の安心できる場所を提供できるには、知識と経験が必要とされます
お子様のことを知り、お子様のためにしてあげたいという気持ちがスキルアップに繋がります。

今後の情勢を考えても放課後等デイサービスは必要とされ、長く仕事を続けられる

放課後等デイサービスは年々増加しています
障がいをお持ちと診断されるお子様の数が増加し、支援が必要となっているからです。

今後も放課後等デイサービスの需要は高いと思われます。
働きながら資格を取得していったり、スキルを高めていくことで、管理職も目指せます

今後も需要は高まる為、放課後等デイサービスで経験を積んでおく事でその経験は長く活かせる可能性があります。

放課後等デイサービスで仕事をするデメリット

放課後等デイサービスで仕事をするデメリットはあるのでしょうか?
感じ方は様々だと思いますが、実際に働いている方から聞くデメリットについてお話しします。

仕事量が多い

特別な支援が必要なお子様の療育に加え、日々の支援計画・準備、送迎などたくさんの仕事をこなして行く必要があります。

同じ職場で働くスタッフと協力して分担していく必要がありますので、日々のスタッフ同士のコミュニケーションを大事にし、役割を分担することも解決策の一つです。

利用者さんの人数が多いと、その分支援を1人ひとりに合わせて用意していく必要があります。
仕事を分担できるよう、スタッフ同士の気遣いをし、良い関係と雰囲気をつくっていきましょう

お子様の対応に困るときがある

放課後等デイサービスには、いろいろなお子様がいらっしゃいますので、自分の経験不足などでうまく対応できない場合もあるかと思います。
入所時のアセスメントをしっかり取り、職員に共有することで対応していきましょう

新人さんは上手くいかないことがあるかもしれませんが、経験を積み、先輩から学んでいくことで少しずつお子様の特性を理解でき、対応できるようになるでしょう。

放課後等デイサービスごとに支援方法に違いがある

放課後等デイサービスでは支援の方針、内容は違ってきます。

感覚統合療法や音楽療法を取り入れていたり、作業療法士・理学療法士が在籍していて運動療育をしてくれるなど、なんとなく違いが出てくるのがわかるでしょうか。

放課後等デイサービスでも年齢制限を設けていたり、障がいの重さで受け入れを決めている事業所もあります。

転職・就活の際は、一度見学に行き、話を聞き、実際に雰囲気を感じる事でご自身に合った放課後等デイサービスを見つけられると良いでしょう

放課後等デイサービスと児童発達支援での仕事内容に違いはある?

放課後等デイサービスは小学1年生〜18歳、児童発達支援は0歳〜就学前(6歳)までと対象となる年齢が違います。
ですので、仕事内容が大きく変わらなくても、利用時間が違うことや自立を支援するための関わり方は違ってきます。
(詳しくは児童福祉法を第六条の二の二をご覧ください)

利用時間は児童発達支援の場合、長くても〜16時までが多く、放課後等デイサービスは〜18時ぐらいの場合が多いです。
勤務時間にも関わってきますので、ご自身のライフスタイルに合わせて職場は選んだ方がよいでしょう。

まとめ

放課後等デイサービスの仕事内容について解説しました。

仕事は多岐にわたりますが、一緒に働くスタッフと協力し、支援していく楽しさがあります。
放課後等デイサービスで働くイメージを持ち、一歩踏み出してみてはいかがですか?

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