ケアマネジャーが地域包括支援センターで働くには、「主任ケアマネ」の資格があることが望ましいです。
主任ケアマネは、ケアマネジャーの経験があり要件に満たした場合、主任ケアマネ研修を受けて取得することが可能です。
ここでは、地域包括センターで働くケアマネの役割や業務内容を紹介します。
また、地域包括支援センターで働くためには、どのようなキャリアパスが必要であるか、気になる年収なども含めて解説します。
目次
地域包括支援センターでのケアマネジャーの役割とは?
ケアマネジャーの職場といえば、「居宅介護支援事業所」や「高齢者施設」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
居宅介護支援事業所や施設で働くケアマネジャーにもそれぞれ役割があるように、地域包括支援センターで働くケアマネジャーにも、他でケアマネジャーとして働くこととは少し違った役割があります。
地域包括支援センターでのケアマネジャーにどのような役割があるのかを見ていきましょう。
地域包括支援センターでのケアマネジャーの役割
地域包括支援センターで働くケアマネジャーは、地域資源を活用しながら、主に軽度介護保険認定者の介護予防ケアマネジメントを行う、つまり軽度認定者の要介護状態を防ぐことが役割です。
2025年、団塊の世代が後期高齢者となり、今後増々、医療、介護が必要となる高齢者が増えていくことが予想されています。
そのような中で、軽度なうち(要支援認定や事業対象者)に介護保険を活用することで、重度化を防ぐことが求められています。
元気な高齢者を増やし、社会保障費を減らすためにも、介護予防ケアマネジメントは重要です。そのような重要な役割を担う一員が、地域包括支援センターで働くケアマネジャーの役割です。
地域包括支援センターでの主任ケアマネジャーの役割
地域包括支援センターは、地域の総合相談窓口として他の職種である社会福祉士や保健師と連携を図りながら、地域の高齢者の支援をしていきます。
その中で、主任ケアマネジャーは専門性を活かし、地域のケアマネジャーの支援を行うことが役割として求められています。
具体的には以下のような役割があります。
- 困難ケース等で、地域のケアマネジャーと同行訪問
- ケアプランの内容を考える
- ケアマネジャーが困っていることの相談に乗る
- 地域資源の情報を地域のケアマネジャーに紹介
- 地域のケアマネジャー向けの研修会を開催
- ケアマネジャー同士の繋がり作りの支援
地域包括支援センターでケアマネジャーが担当する主な業務内容
地域包括支援センターには、介護予防支援事業所が設置されている場合もあり、その場合は主任ケアマネマネジャーが地域包括支援センターと介護予防支援事業所どちらにも所属するケースもあります。
ここでは、ケアマネジャー、主任ケアマネジャーがそれぞれどのような業務を担当するのかを記載しています。
居宅介護支援事業所で働く場合との違いを比べ、どのような場所で働きたいか確認していきましょう。
ケアマネジャーの主な業務内容
介護予防ケアマネジメントの実践
地域包括支援センターで働くケアマネジャーの主な業務は、介護予防ケアマネジメントの実践です。
介護予防ケアマネジメントとは、要支援1、2、事業対象者の介護予防ケアプランの作成、評価等、一連のケアマネジメント業務のことです。
介護予防ケアマネジメントは、「介護保険を利用することで、要介護状態を予防する」ことが求められているため、アセスメント力、利用者様の望む生活の実現に向け、地域資源を活用しながら介護保険を利用していく力が求められます。
- 担当件数に上限がない(常勤の場合70~100件程度)
- モニタリング頻度が少ない(市町村の規定による)
- 担当するエリアが決まっているため、利用者様宅への訪問が居宅介護支援事業所よりしやすい
高齢者やその家族への総合相談支援
地域包括支援センターの主な業務に「総合相談支援」があります。
市町村によっては、総合相談業務は、地域包括支援センターの職員である社会福祉士、保健師、主任ケアマネジャーのみが行っているところもありますが、ケアマネジャーも行う可能性が高い業務です。
総合相談支援は、介護保険の手続きのみでなく、介護保険以外にも地域資源を活用したり、地域包括支援センターでは対応できないこと(例えば、生活保護の申請、障害を持っている家族の支援等)を適切な相談窓口に繋げたりと他の職種とも連携を図りながら、住み慣れた地域で安心して生活を送っていけるような支援が求められています。
ケアマネジャーの業務の中で、連携とチームアプローチも重要になります。
地域包括支援センターで一緒に働く社会福祉士、保健師等の他の職員と連携し、地域に住む人の生活支援を行っていきます。
主任ケアマネジャーの主な業務内容
多職種との連携調整とリーダーシップ
主任ケアマネジャーは、ケアマネジメント業務以外にも、地域のケアマネジャーのリーダー的存在となります。例として以下のような役割を担います。
- 地域のケアマネジャー向けの勉強会の実施
- ケアマネジャー同士の情報共有やサポート体制の構築
- 医師会、歯科医師会、薬剤師会、その他介護保険事業所等と連携
- 地域の困りごと、不足している資源の把握
また、多職種との勉強会に参加し、顔の見える関係を作り等を行い、地域全体でより円滑に利用者様の支援を行えるようにしていく役割があります。
ケアマネジャーの育成と指導業務
主任ケアマネジャーには、経験の浅いケアマネジャーの育成や指導する業務があります。
よく「ケアマネ支援」と言われている業務で、ケアマネジャーの相談者というイメージです。
経験の浅いケアマネジャーを支援していきます。例えば以下のような支援を行います。
- ケアプランを一緒に考える
- 必要に応じて一緒に同行訪問 など
ケアマネジャーが不足している地域も多い中で、主任ケアマネジャーの存在は大きく、とても頼りになる存在です。
ケアマネジャー資格を活かした地域包括支援センターでのキャリアアップについて
ケアマネジャーの資格を活かして、地域包括支援センターで働くか居宅介護支援事業所で働くか、施設で働くか迷うこともあるかと思います。
ここでは、地域包括支援センターで働くことで得られるスキルやキャリアアップについてご紹介します。
ケアマネジャーが地域包括支援センターで得られるスキル
地域包括支援センターは、地域包括ケアシステムの中心となるところです。
そのため、行政からの情報を得られやすく、研修へ参加する機会も多く、知識を得る機会が多いと聞きます。
また、介護保険の相談以外の相談を受ける機会が多く、困難ケースの対応をすることもあるため、机上で得られる知識以外にも実践で得られるスキルが身につきます。
キャリアアップを目指すための具体的なステップ
ケアマネジャーとして通算5年間仕事をする※と、主任介護支援専門員研修を受講することができます。
この研修を受講することで、主任ケアマネジャーとなることができます。
主任ケアマネジャーは、地域包括支援センターに必ず配置しないといけない職種で、居宅介護支援事業所の管理者要件に主任ケアマネジャーが必須となるため、とても重宝される資格です。
地域包括支援センターでのケアマネジャー経験を活かし、主任ケアマネジャーを取得後、地域包括支援センターの主任ケアマネジャーとして働くことで、よりキャリアアップを目指せます。
下記の4つの条件のいずれかを満たさなければいけません。
- 専任ケアマネージャーとして通算60ヶ月以上の実務経験がある
- ケアマネジメントリーダー養成研修を修了したのち、専任ケアマネージャーとして36ヶ月以上の実務経験がある
- ケアマネジャー業務に関して、知識と経験を十分に持っていて、都道府県によって認められた人
- 地域包括センターで主任ケアマネージャーに準する者として配置されている
受講要件は、都道府県で異なってくるため、ケアマネジャーを登録している都道府県で確認してください。
地域包括支援センターでのケアマネジャーの年収・給料はどのくらい?
地域包括支援センターで働きたいけど、年収や給料が気になる方が多いのではないでしょうか?
ここでは、地域包括支援センターで働くケアマネジャーの年収を公開します。
年収や給与は、転職する際には大事な情報です。
そして、同時に働きやすさの材料として福利厚生や残業時間なども見ていくと良いでしょう。
地域包括支援センターでのケアマネジャーの年収
ケア人材バンクに掲載いただいている求人の地域包括支援センターのケアマネジャー求人の年収は~464.4万円※です。
※「ケア人材バンク」ケアマネジャー地域包括支援センター求人一覧の2/6時点の最高給与×12ヶ月分で算出しています。
ただし、地域や掲載時期によっても異なります。最新情報は「ケア人材バンク」にてご確認ください。
地域包括支援センターでの主任ケアマネジャーの年収
ケア人材バンクに掲載いただいている求人の地域包括支援センターの主任ケアマネジャー求人の年収は~510万円※です。
※「ケア人材バンク」主任ケアマネジャー地域包括支援センター求人一覧の2/6時点の最高給与×12ヶ月分で算出しています。
ただし、地域や掲載時期によっても異なります。最新情報は「ケア人材バンク」にてご確認ください。
地域包括支援センターで働くための必要な資格とスキル
ケアマネジャーの地域包括支援センターで必要なスキル
地域包括支援センターで働くケアマネジャーは、多くのスキルを求められます。
求められる必要なスキルを紹介していきます。
アセスメント力
地域包括支援センターでは、予防支援事業所が配置されている事業所がほとんどです。
また、突然の訪問や電話相談などの対応もあります。
その際には、利用者様がどのようなことで困っているのかを把握する必要があります。
ケアマネジャーは、他にも相談や対応する方もいるため、限られた時間で的確に情報を収集する必要があります。
また、表面的な問題だけではなく、潜在的な問題も把握することが大切なため、アセスメント力で的確に問題を捉えていくことが重要です。
多職種との連携・調整力
地域包括支援センターでは、地域で暮らす方の生活をサポートする役割があります。
利用者様の中には、障がいがあったり、生活保護などの申請が必要であったり、生活保護以前に利用できるサービスを利用者様の状態を見ながら検討していく必要があります。
そうしたことを全て地域包括支援センターが担うのは大変です。
そこで、行政や他の事業所の相談窓口に繋げる必要があります。
「こういった状況の場合には、この関係機関と連携を図ろう」など事前に知識を深め、調整することで、スムーズなサービスの提供で利用者様にも安心を与えます。
多職種連携と調整力は重要なスキルなので、他の事業所の働き方を見たり聴いたりしながら、関係を深めていく必要があります。
コミュニケーション能力
地域包括支援センターのケアマネジャーの仕事では、相談者の問題を解決できるように支援をします。
相談内容を正確に聞き取ると同時に、必要な質問をしていきます。
相談者の中には、聞こえにくい方や話を覚えられない方など、様々な状況の方が来訪されます。
その際に必要なのがコミュニケーション能力です。
課題を知り、解決を図るためには、コミュニケーション力を磨き、相談者の方の状況によって臨機応変な対応が必要です。
主任ケアマネジャーの地域包括支援センターで必要なスキル
リーダーシップ
地域包括支援センターの主任ケアマネは、地域の居宅介護支援事業所の相談役となります。
そのために、知らないことや分からないことは積極的に調べ、知識を深めていくことと、地域資源を知り、どこに相談したら良いかを調べておく必要があります。
困難事例を知るために病院や地域で開催される地域ケア会議にも積極的に参加し、解決方法や様々な方の意見を参考にし、多方面から物事を見ることができるようにすることが大切です。
そこで経験を重ねることで、他のケアマネジャーから頼られる存在となるのです。
教育指導とネットワーク作り
厚生労働省の主任介護支援専門員研修各科目ガイドライン※では以下のように記載されています。
出典:主任介護支援専門員研修 各科目のガイドライン
- 地域や事業所内における介護支援専門員の人材育成に関する効果的な取組及び方法(研修 計画の作成、 OJT・OFF-JT、事例検討会等)について講義を行う
- 地域において人材育成を行うに当たって必要なネットワークの構築方法に関する講義を行う。
- 事業所内における介護支援専門員に対する業務管理の意義・方法及び課題と対応策について講義を行う
主任ケアマネジャーは、他のケアマネジャーの教育や指導、人材育成が求められます。
地域の課題を解決しやすいネットワーク作りと解決に導けるケアマネの育成が重要です。
地域資源の開発
問題を解決する方法は無数にありますが、どの方法が利用者様にとって良いのかを考える必要があります。
特に主任ケアマネになると、困難な問題の方を多く担当することとなります。
時には、問題解決に必要な資源が足りていないということもあるかもしれません。
そうなった場合には、新たな地域資源の開発が必要です。
地域によって、開発するには時間がかかることがありますが、開発したことで問題解決に繋げられた場合、他の利用者様にも必要な資源であることがほとんどです。
地域に何が足りてないのか、必要なサービスは何かを知って新たな地域資源を作っていく必要があります。
採用に向けて準備すべきこと
地域包括支援センターでは、以下の保有資格での募集がメインとなります。
- 主任ケアマネジャー(ケアマネジャー)
- 社会福祉士
- 保健師
時折、地域コーディネーターなど地域包括支援センターによっては、上記の資格以外の職種も募集していますが、求人が少ないです。
そして、採用に向けて「経験」が必要です。
地域包括支援センターでは、幅広い対応や連携が必要となっているため、以下のような経験があると、利用者様やご家族の相談が分かりやすくなります。
- 居宅で働いた経験や病院で働いた経験
- 介護士として働いた経験
また、「なぜ地域包括支援センターで働きたいと思ったのか」を自分自身の中でしっかりと考えておくことも大切です。
地域で暮らす利用者様の中には、とても複雑で解決できない問題も数多くあります。
時には、仕事内容として地域包括支援センターの職員がゴミ屋敷の掃除や安否確認などをする必要もあります。
決して簡単ではない仕事なので、「なぜ働きたいのか」を明確とすることで、働く意志が固まるでしょう。
また、採用の際にも有利になります。ケア人材バンクでは、地域包括支援センターの求人紹介や求人一覧が掲載されています。
なりたい自分と働き方を考える際には、ぜひ一度ご覧ください。
まとめ
ケアマネジャーで地域包括支援センターで働くイメージが出来ましたか?
地域包括支援センターで働くケアマネジャーは、介護予防のためのケアマネジメントを行い、地域に住む方の病気や怪我などの悪化を防ぐことで、いきいきと生活できるようにサポートする役割があります。
地域での繋がりを感じながら、地域のみんなで住みやすい街づくりにしていくといったやりがいもありますが、複雑な課題を抱えている方(人間関係や生活環境、心身状態)の支援をするには、他機関との連携が不可欠なので、多くの労力も必要とします。
「地域の一員として地域包括支援センターで働いてみたい」
「介護予防のプログラムや認知症カフェなど計画してみたい」
「他機関と連携しながら、利用者様をサポートしたい」
こんな想いを持つ方は、ぜひ1度検討してみてください。
また、「ケア人材バンク」では、ケアマネ専門の転職支援サービスを行っています。
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